細胞診とは  
“細胞診”という言葉を初めて聞いた方へ

 文字通り「細胞をみて」、「診断する」ことです。
 私たちの身体は1兆個の細胞からなりたっています。
 病気とは、これらの細胞が病むことなのです。
 だから細胞をくわしく調べれば、多くの場合、病気がわかるのです。
 しかし細胞は大きさが、1ミリの50分の1くらいで、とても小さく、透明です。
 それを調べるには、顕微鏡が要りますし、細胞が見えるように、色をつけなくてはなりません。
 そういう技術を駆使して、患者さんから取り出された細胞を調べ、適切な診断を下すのが、細胞診です。
 それには高度な技術を持った検査技師や医師が必要です。
 そういう技師を細胞検査士といい、医師を
細胞診指導医といいます。(トップに戻る)

 細胞診は検査の一種です。検査というと胸部X線とか,内視鏡検査などを思い浮かべられると思います。
 それでは胸部X線や胃透視,CTなどの放射線診断と腹部エコー検査などの画像診断と細胞診との関係についてお話しします。咳が止まらない,おなかが痛いなどの症状を訴えて病院を受診したら,医師は話を聞いてどの臓器にどの様な病変があるのか思い浮かべます。そしてそれらの病変の有無を確かめるために,まず最初に侵襲の少ない
放射線診断やエコー検査などの画像診断をします。これを行う根拠としては,病変部は周囲の正常組織とは放射線や超音波の吸収率が異なっていることが多いため?(本当か,調べる),影として見えるからです。ここまでお話しするとお気付になると思いますが,陰影として見えるだけですので,炎症か,腫瘍か,腫瘍だったら放って置いても良いものか質的判断ができないこともあります。
 そこで細胞診の出番です。細胞診は病変そのものを採ってくるわけですから,
質的判断の根拠になる情報が多く含まれています。画像診断で影として見えたところから細胞を採ってくることも可能ですし,また別の方法で病変にアプローチすることもあります。この様に画像診断と細胞診とはお互いの長所を生かし,短所を補う関係にあり,正しい診断に至るため欠かすことの出来ない検査法なのです。(トップに戻る)

 症状を訴えて病院を受診したら,画像診断と同時に血液を採られたり,尿を採られたりします。これも医師が思い浮かべた病変を確かめたり,病変を想定することが出来なくても,体のどこかに異常があるということを見つけるのに役立ちます。
 この血液や尿の検査の根拠としては,体の中に病変があると,その病変によって正常細胞が壊される,その病変が特定の物質を量的,質的に異常に作るという所にあります。したがって侵襲が少なく,広い範囲の異常を発見することが出来るという大きな長所がありますが,どの臓器に病変があるのか,どの様な異常なのかを判断するのは難しいことが多いのです。
 この様にどの検査も得意分野と不得意分野を持っていますので,お互いを組み合わせて正しい診断に至ろうと努力するのです。
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 細胞診の採取部位とそれによって発見されることの多い病変をあげてみます。

採取部位

代表的な病変

子宮頸部,子宮体部

子宮頸癌,子宮体癌など

喀痰

肺癌,咽頭癌,喉頭癌など

尿

膀胱癌,腎盂癌など

胸水

肺癌,転移性肺癌など

腹水

胃癌,卵巣癌,肝細胞癌など

胆汁

胆道癌,膵癌など

穿刺吸引細胞診(針が刺せるところならどこでも)

乳癌,甲状腺癌,リンパ節への癌転移や悪性リンパ腫など


この様に広い範囲の臓器をカバーしており,悪性腫瘍の診断には欠かせない検査となっています。
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  1. 痛みなどの侵襲が少ない。したがって繰り返し検査をすることが出来る。
  2. 炎症か,腫瘍か,腫瘍だったら良性か悪性かなどの質的判断が出来る。
  3. 広い範囲の異常を発見することが出来る。
  4. 急げば1時間以内に診断が可能である。

    以上のような長所を持っているために,早期癌の発見や集団検診の一つとして行われており,子宮頸癌をはじめとする悪性腫瘍の早期発見と死亡率低下に役立っています。
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 多くの長所を持つ細胞診にも限界があります。この限界を知って細胞診とつき合う必要があります。

  1. 良性病変にも悪性を思わせる細胞が出現したり,反対の場合が起こりうる。
  2. 穿刺吸引細胞診では病変部を採ってこないと,正しい判定が出来ない。病変部に到達しているか否かを判定する根拠が得られないことが多い。
  3. せっかく得られた細胞も正しく判定できる人が見ないと正しい判定に至らない。このために細胞検査士や細胞診指導医という資格を持った人が,細胞診を見る必要があるのです。(トップに戻る)